カーテンレールの選び方

カーテンレールについて、メイン

カーテンレールはカーテンの生地と同様に機能性やデザイン性などで様々な種類が存在します。カーテンレールをカーテンと組み合わせて考えることで窓装飾の完成度がグッとアップします。カーテンレールの種類から選ぶときのポイントなどを詳しくご紹介します。

1.カーテンレールの変遷

カーテンレールについて、カーテンレールの分類

我が国のカーテンレールは、明治期にヨーロッパを中心に購入してきた真鍮のパイプや木製のカーテンレールが宮内庁や一部の上流階級で使用されているだけで、カーテンも洋服屋で縫っていました。その後、針金や角パイプ、溝付きパイプ等が大正末期に見られますが、本格的にカーテンレールと呼ばれ、工場生産が始められたのは昭和6年のI(アイ)型カーテンレールの発売と言われています。一般家庭ではロッドと呼ばれる針金のコイル状のものが使用されていました。
昭和28年にはC型カーテンレールが発売され、公団住宅、各都道府県・官公庁住宅等に使用されることになって、一般家庭へと普及し、C型=カーテンレールの代名詞としてベストセラーを誇っていました。同時に1959年(昭和34年)から1960年代にかけて、家庭用のC型ホームレールやプラスチック製のマインレール、ファニーレール等セットレールが発売され、1970年代になるとアジャスターレール、フリーサイズレール等店頭用レールが発売されるようになり、種類も豊富になりました。
1969年(昭和44年)、国産の装飾レールが発売されて以来、カーテンレールは単にカーテンを吊るす金具から窓辺を装うカーテンを引き立たせる、あるいは使い心地に大きな影響を与える重要な要素として見直されるようになりました。近年ではシンプル、モダンからクラシックまでいろいろなデザインのものが多く、素材も木製レールの人気に加えてアイアン、アルミ、真鍮等金属、また木と金属の組み合わせ型等の装飾レールが豊富になっています。また、リニアモーターや住宅用電動レール等、快適空間づくりに新技術、新素材が開発されています。

2.カーテンレールの分類

カーテンレールには、レール自体が装飾品のひとつとしてつくられた装飾性カーテンレールと、カーテンを開閉することに重点を置いた機能性カーテンレールがあります。

【装飾性カーテンレール】

デザイン性を重視した見せるためのカーテンレールのことを装飾性カーテンレールと呼びます。木、アルミ、真鍮、鉄など素材が豊富です。また、テイストもクラシカルなものからモダンなもの、エレガントなもの、カントリー風の素朴なものなど多彩です。インテリアスタイルを踏まえた上で、カーテン本体やほかのカーテンアクセサリーとのコーディネートを考慮して選びます。木製や木目調のものは、色彩的に明るいものから暗めのものまで色のバリエーションが豊富なので、室内の木部の色に合わせて選ぶとインテリアの統一感が生まれます。

カーテンレールについて、装飾性カーテンレール

【機能性カーテンレール】

カーテンの開閉機能に重点を置いたレールのことを機能性カーテンレールと呼び、さまざまな用途に対応する製品があります。素材は、ステンレス、スチール、アルミ、樹脂などがあり、色はシルバー、アンバー(琥珀色)のほか、ホワイトに塗装したものや、転写プリントを用いて木目調のシートを張ったものもあります。
機能性カーテンレールは装飾性カーテンレールと組み合わせて使用することもあります。取り付け位置の状況により、正面付けか天井付けかを決定します。カーテンレールを隠す場合は、トップトリートメントやカーテンボックスで覆う方法があります。また、機能性カーテンレールには耐荷重の制限により軽量級、中量級、重量級の3種類があり、取り付けるカーテンの重量に適したものを使用します。

カーテンレールについて、機能性カーテンレール

※住宅向け機能性カーテンレール

●バランスレール

バランス(上飾り)を取り付けるためのカーテンレール。面ファスナーで取り付ける。

カーテンレールについて、機能性カーテンレール バランスレール

●ボックスレール

機能性カーテンレールとカーテンボックスが一体になったもの。

●カーブレール

曲げることができるレール。出窓などカーブした場所にカーテンを取り付ける場合に使用する。手で曲げることも可能だが、専用の曲げ器具(カーブベンダー)を用いて曲げるのが一般的。フレキシブルレールとも呼ばれる。

カーテンレールについて、カーブレール

●電動レール

電動モーターなどによってカーテンを開閉できるレール。リモコン、タイマー、スイッチ、センサーなどで操作する。

※特殊な用途の機能性カーテンレール

●カフェロッド

カフェカーテン用のレール。小型の装飾性カーテンレールやテンションポールがこの用途に使われる。

●テンションポール

ポールの中に組み込まれたスプリングの力を利用して、左右の壁に突っ張って取り付ける吊り棒。浴室のタイル壁など、ビスが打てない場所に使われる。

●ピクチャーレール

絵画やパネルをディスプレーするためのレール。回り縁や壁面に沿って取り付け、フックやハンガーを使って絵画やパネルを吊り下げる。左右にスライドすることができる。レール、フック、ハンガーの組み合わせにより吊り下げ耐荷重が異なる。ディスプレー以外に収納用途に使う部品もある。

●スイングレール

扉のように開閉が行えるレール。すべり出し窓などカーテンに干渉する窓にも取り付けが可能。

3.フックの選び方

カーテンを吊すフックには、レールを見せるAフック(天井付け:天井や窓枠の上部、カーテンボックスから下げるように窓装飾エレメントを取り付ける方法)とレールを隠すBフック(正面付け:壁から垂直に張り出すように窓装飾エレメントを取り付ける方法)、そして天井付けと正面付けの両方に対応するアジャスタフックがあります。アジャスタフックはランナーに引っかける部分を上下に動かせる構造で、カーテンの丈の微調整が可能です。材質は樹脂製です。
カーテンボックスなどのように、ドレープ、レース用のカーテンレールが天井付けの場合は、ともにAフックを使用することが一般的です。正面付けの場合は、カーテンレールやカーテンスタイルによってAフック、Bフックをそれぞれ使い分けます。
フックの選択は、カーテンの寸法を求める際にも重要なポイントになります。カーテンの丈寸法を総丈で求めるか、カン下(カーテンレールのランナーのリング内円下の部分のこと)寸法で求めるかでもAフック、Bフックを識別する必要があります。ギャザーテープにはギャザーフックを使用します。

4.カーテンレールを選ぶポイント

・装飾レール・・・カーテンの丈寸法とフックの関係に注意。

カーテンレールについて、カーテンを選ぶポイント

装飾レールは、レール自体がエレメントの一つとして影響が少なくないので、カーテンと合わせたスタイルとして選ぶことが大切ですが、取り付ける位置に十分な注意が必要で、カーテンとレールの間のすき間から窓外が見えないようにポールの位置を窓上10cm以上にすることが理想です。少なくともすき間から窓枠が見えない位置にします。

・遮光カーテンにはレール&部品で遮光効果を充実

遮光カーテンを吊れば遮光になるとは限りません。寝室、リビング等、部屋によって求める遮光の度合いも異なりますが、理想的な遮光にするために部品を活用します。(例)中央のすき間に交叉(こうさ)ランナーでカーテンの重なりをとったり、、カーテンの脇から光漏れや視線を遮るために、カーテンの左右にリターンをとったり。

・高齢者や乳児の寝室等で静かなカーテンにしたい場合には静音レールを

乳児や高齢者の寝室では、些細な音に配慮して、静音レールや静音ランナー(ランナーの車にタイヤをはかせたもの等、静音のためのレールと部品)を活用することもできます。通常のレールより20㏈前後違っていて、10㏈違うと人の耳には半分以下の音に聞こえるのでかなり静かにカーテンの開閉が可能になります。

カーテンレールについて、静音カーテンレール

・外からの視線が気になる場合の工夫

現在プリーツカーテンがかかっているが、昼間開けると外からの視線が気になったり、ダイニングを見られたくない等の対策として、ブラインド類を窓枠内に取り付ける以外に、カフェカーテンや目隠しカーテンがあるので、カーテンとの色合い等を考えてデザインし取り付けることもできます。

カーテンレールについて、カフェカーテンや目隠しカーテン

5.カーテンレールの操作方法

カーテンを開閉しない固定式のカーテンスタイルを除けば、日本ではカーテンの開閉はほとんどが手動です。ほかには紐引きや電動があります。
紐引きはカーテンの傷みを軽減します。特に巾広の窓や高さのある窓のカーテンを手で開閉する場合は、カーテンへの負担を軽減することができます。また、窓の近くに家具や障害物があり、カーテンに手が届きにくい場合などにも有効です。
電動カーテンレールは、これまで価格面では一般的とはいえませんでしたが、近年は住宅用に特殊な配線不要(100Vコンセントのみ必要)で後付け可能な住宅用電動カーテンレールも増え、価格も手ごろになってきました。操作の容易性や便利さから、特に高齢者のいる住宅向きといえます。操作方法は、リモコン、タイマー、スイッチ、センサーなどがあります。

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