カーテン生地の種類

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カーテンに使用される生地は、厚手のドレープと薄手のシアーの2種類に大別されます。それぞれの生地でつくられたものを、ドレープカーテン、シアーカーテンと呼びます。

1. ドレープカーテン

厚手から中厚手で、光を通しにくい生地で仕立てたカーテンをドレープカーテンと呼び、装飾性、遮へい性、保温性などに優れています。
海外ではドレーパリー(drapery)と呼ばれています。
ドレープカーテンは色、柄、織りが多彩で、多種多様にあるため、使用するドレープカーテンによってイメージやグレード感が異なります。
また欧米ではグレードの高いカーテンには裏地を付けることが多く、カーテン生地の保護、紫外線による変色、退色といった劣化防止になります。カーテンに裏地を付けることで、さらに遮光性や断熱性を高めることができます。
多種多様にあるドレープカーテンをカラーやテクスチャー(風合い)、パターン(柄)などの特徴別に分類してご説明します!
カーテン生地の種類 ドレープカーテン

●カラーのバリエーションが豊富で、テクスチャーも高級感があるドレープカーテン

カーテン生地の種類 カラーバリエーション

・プレーン

シンプルなテクスチャーが特徴です。
色数が多く、カラーコーディネートしやすい。

・シャンタン

不規則な節(ネップ)のある緯糸(よこいと、ぬきいと)を使い、平織したテクスチャーが特徴。
色数が多く、カラーコーディネートしやすい。

・サテン

細い糸を朱子織(しゅすおり)したもので、光沢のあるテクスチャーが特徴。
色数が多く、カラーコーディネートしやすい。
朱子織(しゅすおり)とは、織物組織の名前です。
織物組織(織組織)とは、織物の互いに直交する経糸(たていと)と緯糸(よこいと)が、上下に組み合わさって平面を形成している経糸・緯糸の上がり下がりの規則のことを言います。
朱子織は経糸が多く表に出ていて、美しい光沢が出やすいのが特徴です。

・ベルベット

経パイルがつくる高級感があるテクスチャーが特徴。
メーカーにより、多色展開しているものがあります。
パイルとは、織物の表面をおおっている輪奈(わな)や毛羽(けば)のことで、仕上げに輪奈の先端を切ったカットパイルと、輪奈状のままにしたループパイルがあります。
ループパイルの代表的なものがタオル地になります。
ベルベットはカットパイルにあたり、経糸でパイルをつくったものです。

●織りによるパターンを特徴とするドレープカーテン

カーテン生地の種類 織り

・ドビー織

ドビー織機で織られた織物を言います。
柄は小さいものやストライプ、チェックなど単純なものに限られます。
規則的に繰り返されるシンプルな幾何学柄が特徴です。

・ジャカード織

ジャカード織機で織られた織物を言います。
多種多様な柄があり、比較的安価なものから高級品までバリエーションが豊富です。

・風通(ふうつう)織

キルティングを施したように部分的に浮き上がったボリュームのある柄が特徴です。
表と裏、地と文様が別々に組織され、2重になった織をしているものを言います。
別名、マトラッセ(matelassé)とも呼ばれます。

・ダマスク織

一般的にクラシックな柄が特徴です。
朱子織の織りの方向の違いから光の反射が異なり浮き上がって見える柄になります。
現在はジャカード織機で織られています。

●プリントによる多様なパターンを特徴とするドレープカーテン

カーテン生地の種類 プリントカーテン

・フローラルプリント

花柄をプリントしたドレープカーテンのことを言います。
伝統的、現代的、カントリー風、都会的など、形や大きさ、色によってさまざまなイメージが表現でき、北欧柄の人気もあり、近年よく好まれるカーテンとなっています。

・チェック、ストライプ

プリントによる格子(チェック)や縞柄(ストライプ)のドレープカーテン。
大きさや色の組み合わせにより、さまざまなイメージが表現できる、おしゃれ王道パターンです。

・幾何学柄、抽象柄

幾何学模様や抽象的な柄のあるドレープカーテン。
現代的なイメージ表現に用いられることが多いパターンです。

2. シアーカーテン

シアーとは英語で「透き通る」という意味で、窓装飾においては透過性のあるカーテン生地のことを指します。
かつてはドレープカーテンと組み合わせるのが一般的でしたが、近年の住空間では窓の形に様々なバリエーションが登場してきたことや、生活者の好みの変化によってシアーカーテンを主役としたウインドートリートメントも見られるようになっています。
(ウインドートリートメント:カーテン、ブラインドなど窓廻り装飾全般のこと。)

シアーカーテンは種類が豊富なので、それぞれの特徴により分類します。

カーテン生地の種類 シアーカーテン

●色と透過性に特徴があるシアーカーテン

・ボイル

ポリエステルや綿を平織にした薄い織物です。
薄地で透過性があるのでシアーカーテンに多用されます。
色のバリエーションが多く、柄をプリントしたプリントボイルもああります。

・オーガンジー

極薄手で軽くハリのある平織の織物です。
シャキッとした手触りと透明感が特徴の生地。
ポリエステルや綿が主流だが、シルク、レーヨン、アセテートを素材としたものがあります。

●テクスチャー(風合い)に特徴があるシアーカーテン

・ケースメント

主に搦織(からみおり)でつくられた、目の粗いざっくりとした風合いのシアーカーテン。
ラフなボリューム感が特徴です。
完全な遮へいを必要としない窓に適しています。
ケースメントとは英語では開き窓のことを指し、そこから欧米ではシアーカーテン全般をケースメントと呼ぶこともある。
(搦織(からみおり)とは、縦糸を互いに絡ませたものに、横糸を織り込んですきまを作る織物のことを言います。)

●パターン(柄)に特徴があるシアーカーテン

・ラッセルレース

ラッセル機(大量生産の経編み機)で編まれる柄レースのことを言います。
日本では最も一般的で、単にレースという場合はラッセルレースを指すことが多いです。
メッシュや複雑な柄、大柄のものなどがあり、デザインが豊富でとてもポピュラーです。

・エンブロイダリーレース

ボイルなどの織物に柄を刺繍したシアーカーテン。
エンブロイダリーとは「刺繍」の意味を指します。
裾に刺繍を施した絵羽柄と呼ばれることも多いです。

・プリントボイル

ボイルに絵柄をプリントしたシアーカーテン。

・オパールプリント

透ける部分と透けない部分のプリント模様を特徴とするシアーカーテン。
綿などのセルロース系繊維と耐酸性の強いポリエステルなどの交織(こうしょく)シアーカーテンに酸性の薬剤をプリントし、セルロース部分を溶かすことでレースのような透かし模様を付けます。

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