トラディショナルスタイル

インテリアスタイルについて トラディショナル クラシック 高級なスタイル

トラディショナルスタイルは、西欧の歴史様式にしたがって、伝統的な家具やアクセサリーを用いたフォーマルスタイルです。
「伝統的な」「由緒正しい」「格式高い」「高級な」「落ち着いた」「品のよい」などが共通するキーワードです。
高級感のある本物の素材を使うこと、伝統的なディテールを使い、壁面およびスペースをシンメトリー(左右対称)に納めるレイアウトなどがデザインの基本になります。
日本ではトラディショナルスタイルを総じてクラシックスタイルと呼び、様式の異なるエレメントを混用した例をみます。
伝統的であっても異なる様式を混ぜることは控えます。

【主なトラディショナルスタイル】

・フレンチトラディショナル

インテリアスタイルについて フレンチトラディショナル

ルネサンス以降のルイ14~16世のスタイルをミックスしたものです。
イタリアントラディショナルの壮大さ、力強さに対し、花柄や色彩の華やかさ、サロン的雰囲気を演出するエレガントな軽快さなど、優美さと趣味のよさを特徴とします。
室内は、ロココやネオクラシックのパネルを施した壁や、パーケット(寄木)や大理石、タイルを張った床でしつらえてあり、家具は金飾り(オーマルー)や寄木細工(マルケトリ)を施し、カブリオレ(猫脚)や細いストレートな脚を持つ優雅なものを使用しています。
カーテンなどのファブリックスはシルクブロケード(多彩な模様を浮織にした紋織物の総称。日本古来の錦がこれにあたります)やゴブラン織、トワレ・ド・ジュイなど、また、カラーは澄んだ純色のものを使います。

・イングリッシュカントリーハウス

インテリアスタイルについて トラディショナル イングリッシュカントリーハウス

カントリーハウスとは、16世紀半ば~19世紀半ばにかけて、貴族階級が自分の領地に建てた屋敷のことです。
広大な敷地にその時代の様式建物が建ち、部屋には様式家具、金銀の装飾品や東洋の陶磁器が置かれ、ギャラリーには歴代の貴族の肖像画が飾られました。
英国のトラディショナルスタイルは、こうしたカントリーハウスの流れを汲んでいます。
床はフローリングか、タイル張り、石やレンガで、居室には大型のオリエンタルラグを敷き、家具はジョージアンやリージェンシー、ビクトリアン様式の大型のものが使われます。
ファブリックスは本来は麻や木綿、ウールなどのあっさりしたものでしたが、17世紀にインドから輸入された花柄のチンツは、ベッドルームの定番とされています。
カーテンなどのウインドートリートメントは、大きな窓からの冷気を防ぐため、裏地、中芯を入れ、たっぷりとドレープをとり、窓丈より長めに仕立てたものに、各種の上飾りを使用します。

・ヨーロピアンクラシック

インテリアスタイルについて トラディショナル ヨーロピアンクラシック

18世紀後半~19世紀はじめのヨーロッパで流行した、ネオクラシックやナポレオン皇帝時代のアンピール様式、時には小市民的で実用的なビーダーマイヤー様式をミックスしてしつらえた、近世ヨーロッパ歴史様式の折衷スタイルです。
アメリカ人から見たヨーロッパ伝統スタイルで、造作などインテリアの背景はネオクラシックスタイルが多く、家具はネオクラシック様式、アンピール様式、ビーダーマイヤー様式のものをミックスして使います。

・アメリカントラディショナル

インテリアスタイルについて アメリカントラディショナル

18世紀~19世紀半ばにかけて、アメリカがニューイングランド地方を中心に繁栄しつつあった、古き良き時代の名家に伝えられたフォーマルなスタイルです。
コロニアル、またはアメリカンジョージアン(英国のジョージアンスタイルをアメリカ流にアレンジしたもの)と呼ばれる様式を基調にしています。
英国のジョージアンスタイルほど格式張らず、アットホームな雰囲気を持つスタイルで、日本人にも親しみやすいです。
ファブリックスは、ダマスク、ブロケード、フローラルプリント、トワレ・ド・ジュイなどの伝統的な織りや柄を使います。
カーテンなどのウインドートリートメントは、コロニアルスタイル(17~18世紀にイギリス・スペイン・オランダなどの植民地に発達した建築・工芸の様式)を強調する場合はスワッグ&テール、フェデラル(米国連邦の)の場合はエンパイアスタイルの上飾りを使います。

cucanバナー468x60px