現在使われている繊維の種類はとても多く、カーテンにも様々な素材が使用されています。
カーテンを選ぶときには、それぞれの素材の特徴を知ったうえで検討することが大切です。
今回は、カーテンの生地に使われる代表的な素材について、その長所と短所をご紹介します。
○ポリエステル
日本国内で生産される合成繊維の生産量のおよそ半分がポリエステルです。
扱い易く型くずれしにくいことから、カーテンにも多く使用される素材です。
○長所
・シワになりにくく、型くずれしにくい
・縮みにくい
・反発力が大きい
・熱に強い
・丈夫であり圧倒的な耐久性がある
・乾きやすい
・カビや虫害を受けにくい
○短所
・静電気が起きやすい
・吸湿性が悪い
・毛玉ができやすい
○綿・コットン
現在日本における衣料用繊維の約4割は綿です。
綿は非常に古くから用いられており、人間と綿との付き合いは長く約5000年前にさかのぼるといわれています。
○長所
・熱に強く丈夫
・吸水性が良い
・肌ざわりが良い
・清涼感がある
・染色性に優れ、染めやすい
・水、アルカリに強い
・通気性が良い
・静電気が起きにくい
・繊維が微細で肌触りが滑らか
・熱伝導率が低く保温性に優れている
○短所
・洗濯で縮みやすい
・黄変しやすい
・シワになりやすい
・毛羽立ちやすい
○アクリル
アクリルは、石油を原料とする合成繊維です。
合成繊維の中でいちばんウールに近い風合いを持つと言われています。
○長所
・軽い
・かさ高で暖かい
・発色性がよい
・シワになりにくい
・薬品や虫、日光に強い
・洗濯しても縮んだり型くずれしない
○短所
・やや毛玉ができやすい
・火・熱に弱い
・吸水・吸湿性が低い
・静電気がおきやすい
○麻・リネン
麻は非常に古い繊維で特にリネンは人類が用いた最古の繊維とされています。
一口に麻と言ってもその種類は20種近くに及んでおり、植物から繊維を採集する部分（靭皮繊維・葉脈繊維）で大別しています。
○長所
・涼感がある
・強度があり、水に濡れても問題ない
・光沢があり、触った感触がシャリシャリしている
・吸湿性・速乾性が高い
・繊維が長いため毛羽立ちが少ない
・抗菌性が高く雑菌が繁殖しにくい
・通気性と速乾性がある
・しなやか
○短所
・保湿性が低い
・弾性が乏しいためシワになりやすい
・染色堅ろう度が弱い
・摩擦により毛羽立ち（白化）しやすい
○ナイロン
世界初の合成繊維であるナイロンは、化学繊維の中で長い歴史を持っている繊維の一つです。
成分上は絹に最も近い合成繊維といわれています。
○長所
・非常に強い弾力に富む
・薬品・カビ・害虫に強い
・弾力性に富み、シワになりにくい
・伸び縮みしたり、形くずれすることがほぼない
・薬品、油、海水にも強い
・染色しやすい
○短所
・吸湿性が低い
・静電気を発生しやすい
・日光やガスにより黄変する
・熱に弱い
○毛・ウール
ウールは羊毛のことですが、中でもメリノ種の羊の毛のことをウールといいます。
オーストラリア、ニュージーランド、フランスのメリノ種が特に有名です。
○長所
・保温効果、吸湿性に優れる
・伸縮性に優れ、弾力性がある
・撥水性があり汚れにくい
・シワになりにくく、型崩れしにくい
・熱伝導率が低いので、冬は暖かく、夏は涼しい
・染色性が良く、色落ちしにくい
○短所
・水に弱く、水洗いすると縮んで硬くなりフェルト状になる
・虫がつきやすく毛玉ができやすい
○レーヨン
レーヨンはシルクに似た光沢・手触りが特徴です。
しなやかで、柔らかくなめらかな生地感の素材です。
○長所
・ドレープ性に優れている
・吸湿性・吸水性に優れている
・染色性が良い
・混紡・混織に適している
○短所
・吊りのびしやすい
・水に弱く家庭洗濯では縮むのでドライクリーニングが無難
・水に濡れると強度が低下する
・シワになりやすい
・摩擦に弱い
・水ジミができやすい
どんな素材にも、扱い易い点と扱いにくい点があります。
機能面も大切ですが、好みの色や生地感を選ぶということも、カーテンを決めるうえで欠かせないポイントです。
使用するお部屋のスタイルや用途に合わせた素材選びで、居心地の良いお部屋づくりを目指しましょう。
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